病める貝にのみ真珠が宿る
天然真珠は小石や寄生虫などの異物が貝の体内に侵入した結果で生成されたものです。
この「異物」は貝にとって痛みや負担を伴う存在ですが、それを取り込むことで、やがて美しい真珠が生まれます。
私たちは生きる上で、取り除くことのできない問題を多く抱えています。
白か黒を毎回はっきり決められるほど世の中は簡単ではありません。
正論というものは実際の役に立たないことも多いのです。タバコは体に悪いですよと指摘されてタバコを辞められる人が一体どれだけいるでしょうか。
仕事をする上で避けられない問題や理不尽な状況にしばしば直面します。
それらの状況を綺麗に排除したいものの往々にして全てを綺麗に取り除けるわけではありません。
異物を異物として受け止めることによって貝は真珠を作ることができるように、問題を問題として痛みを痛みとしてきちんと受け止めることによって成長できるのではないでしょうか。
マネージャーとしてチームを率いる場合でも問題を単なる「悪」と捉えるのではなく、それを乗り越えるプロセスがチームが一歩成長できると信じてみて欲しいのです。
仕事のする上でも泥臭いことを厭わずにきちんとできる人がきちんと成果を残しています。
巧に誤魔化して上手に振る舞う生き方は、拙くとも誠実な生き方には及ばないと思うのです。
問題を受け止め、きちんと向き合う姿勢こそが美しい真珠を生み出す可能性を秘めた一歩なのです。