マネージャーになったら手放すことを意識する
エンジニアを始めたばかりの頃はたくさんの業務を率先してチャレンジすることをおすすめします。
幅広い業務のスキルセットを身に着けられるようになり、専門領域を深く理解することにも繋がるという単なる技術力の話だけではありません。
積極的に業務を自ら引き受けるということは「覚悟を決める」ことになります。
自らの意思に反して割り当てられたプロジェクトでは、困難なことに遭遇しても自ら考えることや問題解決を放棄してしまう可能性は高くなります。
覚悟を決めて自ら臨んだプロジェクトでは、困難なことに遭遇しても自ら考え、さまざまな角度で問題解決を試みることができます。
業務に消極的なエンジニアと積極的に業務を引き受けるエンジニアでは成長スピードが圧倒的に異なるのです。
マネージャーにもなれば無意識のうちに積極的に業務を自ら引き受けるようになっている方が多いと思います。だからこそマネージャーを任されたのです。
しかしながら、マネージャーになったらメンバーの頃と同じ感覚で業務を率先して引き受けているだけではダメなのです。
以前の投稿にもありますが、マネージャーの役割は財源、物資、情報、人材といった組織のリソースを最大限活用し、最大限の成果に導くことです。
可能な限りメンバーに業務を割り当て、メンバーの成長を見守ることを意識する必要があるのです。
チームの中でマネージャーが最も忙しいという状態は良くありません。成果を最大限にするためにボトルネックを解消することが必要なのに自身がボトルネックになってしまっていては本末転倒です。
マネージャーになったばかりの頃は誰しもあらゆる業務で陣頭指揮を執り、あらゆるトラブルに真摯に向き合って指示を出すようなスーパーマンに憧れを抱いています。
しかし、メンバーが望んでいるのはスーパーマンのようなマネージャーではありません。実際にメンバーがマネージャーに求めているのは次のようなものです。
・相談があるときにすぐに相談に乗ってくれる
・挑戦した際の失敗を許容してくれる
・無駄な業務(活用されていない社内報告資料)を極力排除してくれる
・他社や他部署との問題が起きたら矢面に立ってカバーしてくれる
・指摘事項がマネージャーの個人の好き嫌いではなく、納得感のある指摘事項である
・目立たない仕事でもきちんとみてくれて評価してくれている
メンバーが出来る仕事はメンバーに任せ、自身はメンバーのために上記のようなフォローに回る、あるいはメンバーでは困難な業務に回るということを意識していただきたいのです。
多くの業務はマネージャーが直接やる必要はありません。そのためにマネージャーになったらむしろ手放すことを意識する必要があるのです。