ITエンジニアは大道芸人のようであれ
一時期、某著名人の方が「寿司職人になるのに修業は必須ではない。独学で学んでも活躍ができる」という趣旨の発言をして物議を醸したことがありました。
この意見では修行したい人の意欲を否定しているのではなく、修行したい人はすればいい。1人前になるのに10年近くの下積みが必要だという思い込みが良くないということでした。
個人的にこの意見には全面的に賛成です。
厳しいマネージャーの下で何年も鍛えられ続けられたからといって自分もマネージャーになれるという保証はないのです。
メンバーはこの環境では成長できないと判断したらどこかで環境を変える必要があるのです。それは日々の業務であったり、部署だったり、あるいは転職するということも選択肢に入ります。
なお、コロコロと頻繁に環境を変えるのも良くないのですが、5年、10年と同じ環境下で修行だと思い込んで奮闘している方々には今の環境で成長できているかを自問していただきたいのです。
これまでもマネージャー向けの投稿の中で「マネージャーにはメンバーを成長させる責任がある」とお伝えしています。
しかし、最終的な責任は実はメンバー個人にあります。その意味では「マネージャーにはメンバーの成長をサポートする責任がある」という言い方が正確かもしれません。
「ITエンジニアは大道芸人のようであれ」とアドバイスをすることがあります。
通常、大道芸人は看板というものを持たず自らの腕一本で勝負を続けています。観客を引きつけるために、技を磨き続け、新しいトリックやパフォーマンスを常に学び、工夫を重ねています。
ITエンジニアも会社名や肩書きといったものに頼らず腕一本で生きていけるように自己研鑽を重ね、常に新しい技術やスキルを学び、変化に適応していって欲しいという願いを込めてそのような例えをしています。