頑張りすぎて疲弊しているマネージャーへの処方箋
現場責任者であるマネージャー層こそが組織の屋台骨です。
マネージャーになったばかりの頃、誰しもあらゆる業務で陣頭指揮を執り、あらゆるトラブルに真摯に向き合って指示を出すようなスーパーマンに憧れを抱いています。
これが悪いと指摘するつもりはありません。その責任感と行動力自体は素晴らしいものです。
ただ、この憧れが強いと多くの業務がマネージャーに集中し、マネージャー自身がボトルネックになってしまう可能性があるのです。
以前の投稿にもありますが、マネージャーの役割は財源、物資、情報、人材といった組織のリソースを最大限活用し、最大限の成果に導くことです。
自分自身がチームのボトルネックになっていてはいけないのです。
自分が頑張って何とかすることよりもメンバーが最大限に働ける環境を整えることの方がよっぽど重要なのです。
実際にメンバーがマネージャーに求めているのは次のようなものです。
・相談があるときにすぐに相談に乗ってくれる
・挑戦した際の失敗を許容してくれる
・無駄な業務(活用されていない社内報告資料)を極力排除してくれる
・他社や他部署との問題が起きたら矢面に立ってカバーしてくれる
・指摘事項がマネージャーの個人の好き嫌いではなく、納得感のある指摘事項である
・目立たない仕事でもきちんとみてくれて評価してくれている
いずれも地味な内容ばかりでそんなの普通のマネジメントだよと思われるかもしれません。
しかし、常に慌ただしく忙しなく動いているスーパーマンのようなマネージャーには意外と出来ていないことが多いのです。
スーパーマンを目指して頑張りすぎて疲弊しているマネージャーへの処方箋は次の2つです。
- エスカレーションのルールを決める
- 特定メンバーをエスカレーション先にする
1. エスカレーションのルールを決める
既存のエスカレーションルールがあれば見直すこと、なければ新しく作る必要があります。
エスカレーションルールがなければ重要なことを連絡しないメンバーもいれば何でもかんでも連絡するメンバーも出てきてしまいます。
ルール作成にあたってはこれまで経験してきた中で、メンバーに任せられるものを挙げるのではなく、自分にしか判断出来ないもののみを挙げてみてください。
それから手法は様々で良いですが必ず業務内容を確認出来るような仕組み(レポートや進捗管理表など)を作り、ルールの改善が出来るようにしておきましょう。
2. 特定メンバーをエスカレーション先にする
直接自分がエスカレーションを受けるのではなく、まずは特定メンバーがサブマネージャーのような立ち位置でエスカレーションを受けるようにします。
サブマネージャーとの間でもエスカレーションルールを定めておきましょう。
ただし、サブマネージャーの選定には十分時間をかけて見極めることをおすすめします。納得する理由がない限り、サブマネージャーの変更は降格に相当するものでモチベーション低下に繋がるからです。
またこのようなサブマネージャーを置くことで次のマネージャーの育成にも繋がります。
ここまでで頑張りすぎて疲弊しているマネージャーへの処方箋についてお話しました。
どんな優秀なマネージャーであっても一人で頑張って出せる成果というのはせいぜいが数人分の働きでしかありません。
自分一人がスーパーマンのように働いて頑張る必要はなく、チームメンバーと共に一緒に歩みを進めればよいのです。
気負い過ぎて疲弊しているマネージャーの方はチーム全体を活かすためのファシリテーターのような存在で良いのだと考えてみるのも良いかと思います。