対人関係においてマネージャーが気を付けるべきこと
チーム内またチーム間での対人関係についてもマネージャーの重要な業務の1つです。
対人関係の難しさに比べたらコンピュータにおける問題対応はよっぽど簡単に思えてしまうものです。
私自身も色々なプロジェクトマネージャーとして関わったり、プリセールスとして案件獲得する際に各部署との調整をする中で対人関係の難しさに直面することも多くありました。
対人関係において主に気を付けていることについてお話したいと思います。
1. 相手の立場に立って考える
相手の置かれている立場、状況、気持ちを汲み取って言葉と行動を選ぶことができると敵ではなく味方であると認識され、信頼されやすくなります。
相手の目で見て、相手の耳で聞き、相手の心で感じるということは言うは易し、行うは難しの典型だと思います。
特に他チームとの関係においては特に重要な事項になります。
同じチームであれば利害が一致するもしくはマネージャーとしての権限で指示が出せるため、話が衝突する可能性は低いですが、他チームとなると話は違います。
同じチームのメンバー同様と考えていると「心のお前たちのチームの目標のために何故オレたちが協力しないとダメなんだ、お前に指図する権限はないだろう」と心の中で思われてしまうかもしれません。
# 有能ではない自分には他にできることもなかったので。。
一概に正解はないと思いますが私自身が今になって効果があったと思うのは旗振り役を買って出るなど主導的に立ち振る舞う、自分の上司やその他の部チームからもしくはお客様からの指摘にも積極的に矢面に立つといったことでした。
相手の立場に立って一緒に戦う姿勢をみれば協力したくなるものです。返報性の法則と呼ばれるもので相手に何かをしてもらったら相手も何かを「お返し」をしたいと感じる心理もあるのだと思います。
大事なことは順番です。相手が先に何をするではなく、まずは自分が相手に何をできるかです。
2. 誰が正しいかではなく、何を事実とし、どうするのがベターか
対人関係の問題が発生した場合に誰が正しいといった議論になるとますます対立させてしまいます。
また安易に〇〇が正しい!と断じてしまうと正しくないとされてしまった側に遺恨が残ります。
世の中は正しい正しくないで判断すると余計な摩擦を生じさせることが多いのです。正しい正しくないは一旦自分の中に納めておき、まずは事実の整理から始めましょう。
ある程度の事実が整理した上で「~~と考慮した上で〇〇とした方がベターだと思いますがどう思いますか?」と反対意見側の現時点での見解を確認します。
先方が納得してくだされば「一旦はこちらで進めましょう」としますし、先方が納得しないのであればその根拠を聞き、さらに事実の整理を進めた上で再度意見を確認するということを繰り返します。
どうしても埒が明かない場合には、これまで双方が認めた事実を列挙し、双方のマネージャーの統括者に判断を仰ぎましょう。
3. お互いの目線を人ではなく、問題や目標にフォーカスさせる
先ほどの誰が正しいかではなく、何を事実とするかというところと重複する部分もありますが、重要なので別項目にしました。
人間は感情を完全に切り離すことはできませんので対人関係の問題が発生した場合、相手のせいにしたくなるのは自然のことです。
「過去にもアイツにはこういうことがあった」などと過去の話を持ち出す人もいます。
感情論での話し合いになりそうになったら「一旦、私たちが注目すべきなのは何でしょうか」「今日、私たちがこの場で決めなければならないことはなんでしょうか」という風に人ではなく、問題や目標にフォーカスするようにしてみましょう。
上述のように過去のことなどを持ち出しても火に油を注ぐだけなので堪えどころです。また、さりげなく「私たち」という一体感のある言葉を使うのもお勧めです。
4. 問題が発生する前の対処が一番大事
ここまでは対人関係で問題が発生した後の話でしたが、問題が発生する前に未然に解消させることが最も大事だと思います。
優秀なマネージャーというのはメールのやりとりだけで危ない雰囲気を感じ取り、事態が深刻化する前に介入することができます。
どうやって危ない雰囲気を感じ取るかというと、これは嗅覚によるものとしか言いようがないのですがそれぞれの立場に立って考えることで徐々に身に着けるしかないのではと思います。。
人間関係の問題が解消した後に今後同じようなことが起こさないためにどこかで未然に防ぐことが出来たのではないかと自問することも忘れられがちですが大事なことかと思います。
ここまでで対人関係についてマネージャーが気を付けるべきことについてお話しました。
対人関係のマネジメントについて話をするとそれは習得するのが難しい問題だからとフィードバックをいただくことが多いです。
目の前でスクリプトを手品のごとくサクサクと作り上げていく人、普段設定しないようなレジストリキーなどの細かな設定や複雑なコマンドを覚えているような人など逆立ちしても勝てっこない天才を何人もみてきました。
そんな天地と開きほどある技術スキルに比べると、こと対人関係のスキルについてはほぼ皆横並びの状態です。他人の心を読めるような人はいません。
しっかりと着実に身に着けていっていただきたいスキルの1つです。