現場に必要なのはルールとナレッジ
組織で活動するにはルールが必要なのですが、過去の投稿でもお伝えした通り、ルールが多過ぎるというのもまた問題です。
何か問題が発生する度にルールを追加していったのでは、ルールが多過ぎということになってしまいます。
みんなに知っておいてもらいたい問題、事例だけれど、ルールに追加するにはまだちょっと早いかなというケースにはルールとは別のナレッジとして情報をまとめておくようにお勧めしています。
Linux/UNIXを利用する際には下記ルールを明記している現場はいくつもありました。
・hostnameコマンド禁止でuname -nを利用すること ※hostnameの後に文字を入力して実行した場合ホスト名が変更されてしまうため
・crontab -eコマンド禁止で直接ファイルをviで編集する ※eとrは隣合せのキーボードですが誤ってcrontab -rを実行すると確認なしに全cron設定が消去されるため
上記は利用頻度が多く、発生した場合の影響も比較的大きいことからルールにしても良いと思います。
一方、例えばZabbixでLinuxのログ監視を実装する際に対象ログファイルがcopytruncate方式でログローテーションされていた場合、Zabbix側でも監視アイテムでcopytruncateオプションを指定しないと一度検知したアラートが何度も発砲されてしまう事象があります。
このようなZabbix構築という限定されたケースでの事象で、且つ発生しても大きな運用影響がない事象(検証段階で気付くはず)についてはルール化するよりもナレッジ情報として管理した方が良いのです。
Excelでタイトル、ナレッジの詳細、分類情報(タグ情報のようなもの)、(文章だけで分かり辛い場合)別資料へのリンクなどを最下行に追記していきます。
読む人はExcelの下から読み進めることで最新の情報から確認できますし、文章だけで理解できないナレッジについては別資料を開いて詳細を確認することができます。
どれだけすごい技術力を持ったメンバーがいてもそのナレッジが共有されなければ個人商店の集まりに過ぎません。
特定の製品でたくさんの構築実績を重ねてきたとしてもそのナレッジがメンバーの記憶にしかないのであればメンバーが辞めたあと何も残りません。
ルールとナレッジを上手にマネジメントすることで組織のメリットを最大限に活かしましょう。