人生に大切な3つの切る ~ 踏み切る、割り切る、思い切る
皆さんは寝食を忘れて没頭するほど打ち込んでいるものはありますか。
タイトルの言葉は野村證券元専務の津田晃さんが書かれた文の一節です。
津田晃さんはゼミ担当の大学教授の勧めで野村證券に入社することになりました。
野村證券での仕事は入社前にイメージしていた顧客の資産管理の仕事とはかけ離れたもので分厚い高額所得者名簿を渡され片っぱしから営業をかけてこいというものだったそうです。
案の定、営業先で散々な目に逢い、入社を勧めてくれた大学教授のもとへ相談しにいったところ次のような言葉をかけられたそうです。
人生は踏み切る、割り切る、思い切るの3つの切るが大切だ。
踏み切ったらまずは割り切って一所懸命やること。それでダメなら思い切ればいい。
君は踏み切ったばかりでもう思い切ろうとしている。もうしばらく割り切って続けてみるべきだ。
この言葉で津田晃さんは雑念を捨てて仕事に打ち込むことができ、43歳という異例の若さで取締役に抜擢されたそうです。
人生の節目においては「踏み切る」と「思い切る」の決断に迫られることがあると思いますがその際には勇気をもって決断してください。
また、日々の業務の中においては「割り切る」気持ちで何かに打ち込んでいただきたいと思います。
数年前に読んだ雑誌の記事で「最近、老若男女問わず忍耐力が低下しており、その原因の1つにスマートフォンの存在がある」というものがありました。
スマートフォンが普及する以前の時代はテレビやラジオが主要な娯楽媒体でした。
テレビやラジオのチャンネルは限られており、内容がそれほど面白くないと感じたとしても、チャンネルを変えて他に観るものがなければ、諦めてそのまま見続けたりすることが普通でした。
この「我慢して付き合う」姿勢が忍耐力を育む一因になっていたというのです。
一方で、スマートフォンが普及した現在はどうでしょうか。いつでもどこでも自分の気に入った動画や音楽を楽しむことができます。
面白くないと感じたら即座に別のものに簡単に切り替えることができるのです。
スマートフォンの普及によって多様で大量の娯楽を多くの人々に届けられることになった反面、この「簡単に切り替えられる」環境は人々の「少しの不快感に耐える力」を弱めているのではないでしょうか。
そんな時代である今だからこそ、津田晃さんの仰る割り切って打ち込む姿勢というのがますます重要性を帯びているのではないかと思います。
日本電産の永守重信会長の言葉にも次のようなものがあります。
すぐやる、必ずやる、出来るまでやる