引継ぎ作業はいつ開始するものか
以前、常駐していたお客様でこのような会話を聞いたことがあります。
マネージャー:引継ぎ作業はいつ開始するの?
メンバー:異動が決まったらすぐ始めます。
マネージャー:それじゃあ遅過ぎるよ。着任したらすぐ始めて。
メンバー:あ、はあ。。
この話を聞いた当時は着任してすぐ引継ぎを開始するって結構、無茶苦茶だよなあと感じたものですが今ではこの意味がよく分かるようになりました。
引継ぎのことを何も考えていなければ、病気や事故で急に勤務できなくなってしまったらゼロから周囲がカバーしなければなりません。
自分は何かしらの作業をする際には目的を含む概要、インプット情報、アウトプット情報、作業証跡などを可能な限り残すようにしています。
このようにしておくことで自分の業務を引き継いだメンバーが過去に何故このような作業をしたのか、何故このような結論に至ったのかを確認することができます。
自分が関わるプロジェクトでは作業するメンバーに作業証跡(SSHログや画面キャプチャ)はその日中に共有フォルダに保存するようにお願いしています。
こうすることでその日の夜に障害が発生した場合に本人に連絡が取れなくてもどんな作業があったのかを確認することができるようになります。※勿論作業手順書も残してもらいますが、手順書通りに行かないことも多い&作業の途中までしか行われていない場合もあります。
引継ぎのことを意識するだけで記載する内容も自然と変わってきます。
引継ぎを意識しない場合、自分のことしか考えていませんから自分が理解している目的などはどうでも良くなります。
引継ぎを意識して記載する場合、何故この作業を実施する必要があるのかは非常に重要なことだと理解できます。
作業履歴を残す場合の作業名についても引継ぎを意識しているかしていないかで大きく異なります。
作業名に「FWポリシー変更」とあっても何の作業なのかピンときませんが「サーバのFWポリシー変更(アンチウイルス製品変更)」と記載されていればどんな作業なのかイメージしやすくなります。
どれだけ引継ぎ準備をしていたとしてもメンバーが急に来れなくなったら何の支障もなしに引き継ぐことは難しいかもしれませんが、この業務は誰かに引き継ぐものなんだと意識するだけでもアウトプットは大きく違ったものになります。
これまで引継ぎを意識していなかったのであればこの機会に引継ぎを意識していただければと思います。