継続習慣は理性や精神論ではなく仕組みで挑む
エンジニアの学習の継続が難しいと相談を受けたことがあります。
学習に限らず、何かを継続する、継続習慣を身に付けるということはなかなか難しいことです。
太古の時代、人間は常に周囲の危険に警戒しなければなりませんでした。
疲れている状態では周囲の音や匂いに気づかず、捕食者に襲われて命を落とすことに繋がりました。
そのため、生存本能としてエネルギーを温存するようにと進化してきたのです。
現代では捕食者に襲われる危険はほぼなくなったといえますが、エネルギーの無駄遣いを避ける本能が今でも機能しています。
習慣化されていない新しいことを始めるということは人間の脳にとってエネルギーを消費する行動であるため、習慣化できないということは本能が正常に機能しているということでもあります。
本能で出来ないことに対して理性や精神論で挑もうとするから難しいのです。
一度、習慣化されたものはエネルギーを消費されることなく、無意識のうちに継続できるようになります。
習慣化されるまで継続するための具体的な方法をいくつかご紹介します。
- 上手くいくことではなく継続することを重視する
新しいことを始めるということが本能的に難しいとしっかり認識した上で上手くいくことを目指すのではなく継続することを目指しましょう。
完璧を目指す必要はありません。100点を満点とするなら普段は60~70点が取れれば上出来、たまに気分が乗らなくて10~20点の日があっても継続できたことを良しとしましょう。 - ステップを分割して少しだけやる
1にも関係しますが、難しい仕事に着手する際にはタスクを細かく分解し、最初の部分だけ着手してみるなどです。
学習を習慣にするには参考書を前日読んだ部分を読み返し、新しい部分を最低1ページ読むとだけ決めてみるのも1つです。
「難しい仕事の一番難しい部分は取り掛かること」と言われるように一旦、着手してみればすいすい仕事が進むということも意外とあるものです。
私自身この1年間でジムに通うことを習慣化しましたが、1回あたりに長い時間をかけることなく15~20分程度で終わる簡単な種目に絞ったことが成功要因だと考えています。 - 既存習慣に追加する
新しいことを0からやり始めるのは難しいですが、既に習慣になっていることに少し追加することはそれほど難しくはありません。
例えば、肩凝りをほぐすためのストレッチを習慣にしたいのであれば歯磨き後に実施すると決めてしまうのです。
フローリングの掃除を毎日の習慣にしたいのであればコーヒーを飲むためのお湯を沸かしている間に掃除をすると決めてしまうのです。 - 場所や時間を決める
いつやろうと脳のエネルギーを消費させないように場所や時間を予め決めてしまうという方法も有効です。
例えば、電車に乗っている時間には語学学習に充てるなどです。
また、中長期的なタスクがあるのであれば予定表に週1回、月1回など定期的な予定を入れて時間を確保するということです。 - 瞬間的なモチベーションアップ方法を作る
習慣化するためには継続が重要で継続するためにはまず取り掛かることが重要です。
取り掛かるということに限れば瞬間的なモチベーションアップは非常に有効です。
そのため、瞬間的にモチベーションアップする方法をいくつか用意しておくようにしてください。
好きな音楽、好きな部分を抜粋して聞く、顔を洗う、頬を軽く叩く、丹田に力をこめるなど何でも構いません。
取り掛かることができたら好きなものを食べる、甘いものを食べるといったご褒美を用意する方法でも構いません。 - 進捗を可視化する
習慣化できずに途中で止めてしまう原因の1つに頑張った分の効果が感じられなかったというものがあります。
千里の道も一歩からと言われるように難しい仕事も1つ1つの小さい作業の積み重ねです。
小さな進捗であったとしても前進しているが分かるように可視化しておくのが良いでしょう。
例えば、ダイエットするのであれば毎日同じタイミングで体重を計測するようします。
他にも、1日10000歩を目標を体を動かすことを習慣にするのであれば1日の歩数やどこからどこまでといった形で歩いた場所を記録するようにしましょう。 - 習慣化できて上手くいった姿を想像する
中長期的なモチベーションアップのために習慣化できてうまくいった自分を具体的にイメージすることが有効です。
イメージすること自体が脳にとっては成功体験で報酬のようなもので取り掛かるための心理的なハードルを下げてくれます。
習慣化できてうまくいった自分を具体的にイメージすると成功したさらに先にある目標がみえてきます。
さらに先の目標を見据えることで今時点でやるべきことがより具体的に分かるようになるはずです。 - サボったからといって自分を責めない
習慣化しようと思ってもどうしてもできない日、何となくできない日は必ずあるものです。
そのような時に自分を責めると罪悪感や挫折感を生じ、取り掛かることに対する心理的なハードルが上がってしまいます。
サボってしまったとしてもすぐに気持ちを切り替えてまた取り掛かることが重要です。
ここまでで習慣化されるまで継続するための具体的な方法をいくつかご紹介しました。
みんながみんな習慣化出来るのであれば世の中は成功者だらけになっていることでしょう。それだけ習慣化するということは難しいのです。
本能に逆らって理性や精神論で挑もうとせず、自分の脳を騙すつもりで脳の機能をうまく活用した仕組みで挑んでみてはいかがでしょうか。