エンジニア評価は定性評価を中心に考える

エンジニアの評価は、多くのマネージャーや経営者が頭を悩ませるテーマの1つではないでしょうか。
エンジニアの評価方法について良くご相談をいただきますが非常に難しい問題です。
これが正解というものはありませんがこの記事ではエンジニア評価の考え方についてご紹介したいと思います。

人事評価には大きく分けて定量評価と定性評価の2種類があります。
定量評価は数値やデータを基に客観的に評価する方法で定性評価は行動や影響力など数値化しにくい要素を評価する方法です。

定量評価と定性評価をどのくらいにするかは職種によって変えるのが良いでしょう。
営業やエンジニアの中でもプリセールスといった職種では利益や売上などの定量評価を中心とすべきでしょうし、開発者のように数値化の難しい品質が求められる職種については定性評価の比率を高くした方がよいと思います。
大手企業では「評価は公平で客観的であるべき」という考えが強いため、定量評価の比重が高くなる傾向があるように感じています。
チームとしての目標に対する貢献度を定量評価でしっかりと評価できればよいのですが、プリセールスを除くエンジニアの多くは単純に数値化できない業務が多いため、定性評価の比率が高くても良いのではと考えています。

エンジニア評価で定量評価の比重を高くしてしまうと下記のような弊害が発生します。

  • 品質の低下:評価となる数値を上げることが目的化され、品質が低下してしまう
  • 評価にない業務を避ける:評価となる業務に集中し、評価にない業務を避けるようになる
  • 短期的な成果に偏る:目に見える成果のみに注力し、その背景にある技術的な要素が疎かになり、技術力が向上しなくなる

エンジニアは目先の成果よりも実は成果に至るプロセスの方が重要であることが多いため、定性評価を中心とすることをおすすめしています。

一方、定性評価にも次のような注意点があります。

  • 評価する側の主観が多くなるため、評価される側が納得できるような十分な説明が必要
  • 評価する側の主観が多くなるため、評価する側の上司による評価やチーム毎の横並び評価で公平性を確保する
  • 評価する側が好き嫌いを極力挟まないように公平な判断が必要
  • 評価する側が目立たないタスクや貢献を見逃さずにしっかりと評価することが重要

ここまででエンジニア評価は定性評価を中心に考えるという内容でお話をしてきました。
もちろん、企業の評価制度は人事部や経営層が決めるため、マネージャー個人の裁量だけで変更できるものではありません。
しかし、チームの成果に直結する評価を適切に行うためには、マネージャー自身が評価制度に関心を持ち、会社に対してもフィードバックを大切にすることが重要です。
たとえ会社の評価制度で評価されなかったとしても、マネージャーが「あなたの貢献をしっかり見ている」ことをしっかりと伝えるだけでエンジニアの動き方は大きく変わっていくはずです。
制度に縛られず、現場レベルでできる「正しい評価」を意識することが強いチームを作る鍵となるのです。

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