プレゼン資料は伝えたい内容から逆算して作る

プレゼン資料で「伝えたいことが多すぎて一貫性がない」と言われたり、「スライドを作り始めたものの、途中で何を書けばよいか分からなくなってしまった」ことはあるでしょうか。
今回はプレゼン資料を効率よく作成し、伝えたいメッセージを確実に届ける具体的な方法を解説します。

PowerPointでプレゼン資料を作成する際、最初にやることは「伝えたい内容を1つに絞る」ことです。
伝えたい内容が1つに絞れずに2つや3つもあるという場合は、それらに共通する内容で抽象化してください。

例えば顧客に製品を紹介する資料を作成する場合、①製品の高い性能、②競合他社比較してライセンスのコストパフォーマンスが優れている、③導入期間が短いという3つのことを伝えたいとします。
①~③は下記のように言い換えられます。
①製品の高い性能⇒性能の高いハードウェアが必要ない⇒ハードウェア費用(初期費用)を抑えられる
②競合他社比較してライセンスのコストパフォーマンスに優れている⇒ライセンス費用(ランニング費用)を抑えられる
③導入が簡単⇒導入期間が短い⇒構築費用(初期費用)を抑えられる

①と③は初期費用を抑えられる、②がランニング費用を抑えられるということに繋がるので共通する内容で抽象化するなら「コストパフォーマンスで優れている」とすることが出来ます。
このようにしてこの資料で伝えることを1つに絞ると伝えたい内容が明確になり、資料の最初から最後まで一貫した資料となります。
この伝えたいことを曖昧にして資料作成に着手するとあれも伝えたい、これも伝えたいと一貫性のない資料となり、結果的に伝わりにくい資料になってしまうのです。

伝えたい内容を明確にした後は、それを裏付けるために何を伝える必要があるかを洗い出しましょう。
この作業はプレゼン資料の骨組みを作るための重要なプロセスです。この段階でもまだPowerPointは利用せず、メモ帳などのテキストで構いません。
また、このプロセスは読者を具体的にイメージして行うことが重要です。
製品を設計するエンジニア向けの説明と製品の購入を承認する経営層向けの説明では説明する内容が異なります。

例えば、先ほどの例で「コストパフォーマンスに優れている」というメッセージを製品を設計するエンジニア向けに伝える場合、聞き手がその内容を納得し、理解しやすくするためには、次のような情報を伝える必要があります。
・現行(AsIs)と導入後(ToBe)のイメージ
・導入までのスケジュール
・ライセンス体系
・導入機器構成
・冗長構成
・バックアップ、リストア構成
・保守サポート内容
・役割分担表

伝える内容の洗い出した後、洗い出した内容の順序を考え、大まかに各スライドにどんな内容を記載するのかを記載します。
この段階でもまだPowerPointは利用せず、メモ帳などのテキストで構いません。

・現行(AsIs)と導入後(ToBe)のイメージ:導入前後で異なる部分が視覚的に分かりやすい図とする
・ライセンス体系:どんなライセンス体系があって、今回のケースではどれを選択したのか、また何故選択したのかコストを中心に理由を説明する
・導入機器構成:機器構成と機器のスペックを記載する、コスト比較のため、参考までに他社機器費用との比較を挿入してもよい
・冗長構成:冗長構成を記載、コスト比較のため、参考までに他社機器費用との比較を挿入してもよい
・バックアップ、リストア構成:バックアップとリストアのイメージを記載
・保守サポート内容:保守サポートの内容を記載、コスト比較のため、他社とのランニング費用を挿入してもよい
・導入までのスケジュール:参考スケジュールを記載
・役割分担表:どの作業をお客様もしくはベンダーがやるのかなどの分担を記載

ここまでの準備をしてようやくPowerPoint作成に着手します。
可能であればPowerPoint作成前に上長や関係者に一度内容のレビューをしておくと手戻りが少なくなるでしょう。

ここまででプレゼン資料は伝えたい内容から逆算して作るという内容でお話しました。
メッセージが一貫したプレゼン資料を作成するためには最初に伝える内容を1つに絞って明確にする必要があります。
また、いきなりプレゼン資料の作成に着手するのではなくどんな内容をどんな順番で説明するかというアウトラインをしっかり作るということが重要です。
この2つのステップをしっかりと踏襲することでプレゼン資料作成が効率よく、伝えたいメッセージを確実に届けることができるようになるでしょう。

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