新しい現場でマネージャーがまず意識すべきこと
マネージャーの皆さんが新しい現場に入ってまず最初に意識すべきことはなんでしょうか。
私は新しい現場に入って最初に意識すべきことはメンバーをまとめることだと考えています。
いかに優れた戦略もアイデアも仕組みもメンバーが活かされなければ絵に描いた餅です。
またいきなりヴィジョンや目標を掲げるというのも悪くはないと思うのですが、独りよがりのヴィジョンや目標ではメンバーはついてこれません。
チームをまとめるためにはメンバーに共感されるビジョンや目標を一緒に作り上げていく必要があります。
具体的な5つのステップで説明します。
1. メンバーを知る
メンバー一人ひとりを理解することから始めます。どんなスキルを持ち、どのような価値観を大切にしているのか。
どんなことに怒りを感じ、どんな課題を抱えているのか。1on1や日常の会話を通じて、メンバーの背景や思いを深掘りすることが大切です。
ここで大切なのは、相手を知ろうとする姿勢をしっかり伝えることです。
メンバーが「自分を見てくれている」と感じることによって信頼の第一歩が築かれます。
2. メンバーに共感する
メンバーが感じていることに共感する姿勢を持ちましょう。
現場の課題や不満、成功体験への思いなどに耳を傾け、それに共感することで「このマネージャーは自分たちの味方だ」と認識をもってもらいます。
過去の自分の成功体験を語って技術的に自分が上だとマウントを取るようなことは絶対に避けてください。
3. 信頼関係を築く
信頼関係は一朝一夕に築けるものではありませんが、日々の想いと行動と言葉の積み重ねが大切です。
信頼関係を築くためにはまず、メンバーへの感謝が最も重要です。
メンバーに感謝するなんて難しいと思う方はまず日々の小さな貢献に探すことから始めてください。
「助かった」「ありがたい」と思える瞬間を見逃さず、自分に言い聞かせることによって自然と感謝が生まれてくるはずです。
他にも約束を守る、メンバーの意見を尊重する、困った時には支える、といった基本的な行動を徹底することで自然と信頼が積み上げられます。
4. 共にビジョンや目標を作る
チーム全体の方向性を決める際はトップダウンで押し付けるのではなく、メンバーと一緒に考える時間を持つことが重要です。
例えば現状の課題や目標をアンケートやブレインストーミングなどでメンバーの意見を吸い上げることが効果的です。
押し付けられたアイデアではなく、みんなで作り上げたアイデアはメンバーが自発的に行動するモチベーションにもつながります。
5. メンバー全員に共感してもらう
メンバーからの意見によってビジョンや目標が固まった段階で改めてメンバー全員に周知します。
メンバー全員の想いと行動と言葉に至るまで浸透させるには、繰り返し伝え続けることが大切です。
一度説明して終わりではなく日々のミーティングや1on1の中で確認し、感謝と共に良かった点と悪かった点の振り返りを行うことで「目標が自分ごとになる」感覚をチームに広げていきましょう。
ここまでで新しい現場でマネージャーの皆さんにはメンバーをまとめることを意識していただきたいということでお話してきました。
プレイヤーとして実績を残してきた皆さんからみたら新しい現場の粗はたくさんみえてくると思います。
それらを一方的に指摘、改善していたのではメンバーはこれまでの働きを否定されたと感じ、委縮し、自発的な行動はとりにくくなってしまいます。
まずはメンバーをまとめてみるということを意識していただけたらと思います。