SIerにおける商材、サービスの選定ポイント
何でもやりますというスタイルからいち早く脱却するために自社の強みを活かした商材、サービスを作ることをおすすめしています。
特定の製品、サービスにおいて価格は高いが、業界で一番詳しいという状態がSIerとしての目指すべき姿であると考えます。
SIer様向けに商材、サービスの選定する際のポイントについてお話したいと思います。
1. 自社の強みを活かした製品、サービスがないか
最初に確認するのは自社の強みを活かせるものがあるかです。
親会社、子会社、関連会社がメーカーとなっている製品があれば有力候補ですし、自分たちの組織の特性とマッチする製品から選定するという方法もあります。
以前、ご相談いただいたSIer様はOSSに強く、Windows CALを採用していない顧客を複数持っていました。
Windows CALはコストが高いため、Windows Storage Server以外(Windows Storage ServerにはWindows CAL不要でファイルサーバ機能を利用できるため)のWindows Serverを採用しないとしている組織も一定数存在します。
そういった組織に向けてDNSサーバやDHCPサーバを冗長構成で提供するメニューを作成し、Active Directoryが利用できない代わりに資産管理ソフトを活かして端末の管理を行っていくという方針としました。
このように特定の商材に注力することで既存顧客から新しい仕事を任され、同じようなニーズを持つ顧客を増やすことに繋がりました。
2. 実績のある製品、サービスで市場価値の高いものがないか
別でご相談いただいたSIer様では特定の監視製品を導入した実績が複数ありました。
この製品を伸ばしたらどうかとお話をしたのですが、お客様からのカスタム要望が多くいずれも不採算だっため、今後はやりたくないとのことでした。
私自身もいくつかの監視製品の導入に携わったことがありますが、監視製品はpingの拡張ツールのような簡単なものと〇abbix※という拡張性の高いものの取り扱いが難しい製品のシェアが多く、その中間でちょうどよい製品が少ないと感じています。
そこで次のような建付けを提案しました。
・請負作業は死活監視、サービス監視、プロセス監視、ディスク監視、URL監視などの特定の監視項目に限定してヒアリングシートを作成する
・上記以外のご要望については準委任の形で受ける
監視製品の入れ替えでは多くの場合、既存監視製品でやっていることをそのまま新しい製品でも置き換えようと多くの時間を費やしています。
上記のように監視を標準化することでお客様にとっても安いコスト且つ短期間で監視製品の入れ替えができるようになり、SIer様にとっても利益が出るようになりました。
※〇abbix製品は監視製品というよりも監視のためのプラットフォームと形容した方が相応しいくらいに拡張性が高く、その分しっかりとした理解と設計が必要です。〇abbixを導入した企業様では命名規則やテンプレートなどの使い方が定義されておらずバラバラな設計となっており、特定エンジニアに属人化されている部分が多かったです。
ここまででSIerにおける商材、サービスの選定ポイントについてお話してきました。
現在、SIer様向けに商材、サービス作成支援をしていますが基本的には上記の2つを中心にまずは注力する製品とサービスを選定しています。
その後、標準化メニューを作り上げ、その後徐々にオプションメニューを追加するということをご支援しています。
自分たちの強みを活かした商材、サービスを作りたいと考えているSIer様は一度、問合せ欄からご相談ください。