商材標準化のすすめ
現在、SIer様向けに製品やサービスの商材作成の支援をしております。
この中で最初にお伝えするのは顧客からの要望に応じて「何でもやる」「安くやる」スタイルから早く脱却しましょうということです。
そのために値段は高いけれども業界の中で一番技術力があるという状態を目指すのです。
技術力全般において業界の中で一番技術力がある会社を目指すというのは難しいですが、特定の製品やサービスについて業界の中で一番技術力を持つというのはそれほど難しくはありません。
ランチェスター戦略という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、局地戦においてまず優位に立つということが重要なのです。
自社に強みのある製品、サービスだったり過去に実績の多い製品、サービスを商材として選定します。
商材を選定したら次に標準化メニューを作成します。
商材を標準化することによって未知の商材と比べて設計、構築、運用のコストが削減できますし、不具合が発生することも少なくなります。
また標準化することによって提供価格を固定化することができます。
SIerの提供価格の多くは「〇〇万円から」「〇〇万円~」となっています。この「から」や「~」というのがあるために顧客が二の足を踏んでいるケースが多いのです。
「50万円から」と表記されていても、「50万円」では済まないのだろうなと思ってしまうのです。
これは予算を組んで社内に上申する側からすると面倒なのです。「標準化メニュー50万円」のように「から」や「~」を取り除くだけで導入が検討しやすくなります。
標準化に合わないご要望については個別見積もりで対応し、ご要望が多いメニューは標準化に含めるもしくはオプションメニューに追加します。
このようにすることで多用なニーズに応えながらも標準化のメリットを享受できます。
また、標準化には導入後にお客様フィードバックをいただく工数も盛り込んでおくことをおすすめしています。
具体的には導入してから数か月、1年後などにお客様に製品、サービスの使い勝手をヒアリングし、簡単な要望であればすぐ対応し、大掛かりなご要望であれば別途お見積りをご提示するのです。
納品して終わりとなっているSIer様が多いのでこのような対応は顧客の心証がとても良くなりますし、次の案件にも繋がりやすくなります。
私自身、SIerのプリセールスとして働いてきた経験する中でも肌身で感じてきましたが、一般的に新規の顧客から受注するコストは既存顧客から受注するコストの5倍かかると言われます。
年間の運用保守を購入してくださったお客様には運用保守の更新のタイミングなどでお客様を訪問し、現在のお困りごとがないかヒアリングしてちょっとした対応をするだけでとても喜ばれました。
ここまででSIer様における商材標準化のすすめについてお話してきました。
実際の商材標準化のコンサルティングの中でもっと細かいテクニックや事例などをたくさんお伝えしていますが、主な方針はここに記載したものです。
顧客からの要望に応じて「何でもやる」「安くやる」スタイルから早く脱却するためにもSIer様においては商材標準化に取り組んでいただくことをおすすめします。
商材の選定や標準化に関してご不明点があれば何でもご連絡ください。