成果と報酬の順序の原則
某人材紹介エージェントの営業顧問をしているとき、現場リーダー制を導入したことがあります。
その人材紹介エージェントにとっては登録してくれるエンジニアもお客様であり、お客様同士の中で上下の関係をつけたくないという思いがあってか、同じ現場で働いてはいるもののエンジニア同士の繋がりが全くない状態でした。
一方、SIerなどからの人材派遣ではベテランと経験の浅いSEをセットにして提案や現場リーダーを添えて複数名を送り込むケースは常套手段です。
エンジニアを雇用する顧客側からすると1人に指示するだけでその1人がメンバーへの割り振り、指示、進捗管理をある程度やってくれるのであればとても助かるということなので顧客側とエンジニア本人の双方が合意したときのみ、そのエンジニアを現場リーダーにしようというものでした。
エンジニアを雇用する顧客側から現場リーダーを是非やってもらいたいと指名のあったエンジニアにその話をしたところ、「現場リーダーになったら月単価は上がるのか」という質問を受けました。
現場リーダーをやるから月単価が上がるのではなく、現場リーダーになって成果が上がったとお客様が感じるから月単価が上がるというお話をしました。
仕組み上、着手金という形で先に報酬が支払われている場合もありますが、成果があって報酬というのが基本的な原則です。
この順序を間違ってしまうと、成果が正しく評価されません。成果が正しく評価されない環境では、不公平感が生まれ、メンバー達のモチベーションも下がってしまいます。
メンバーのモチベーションを下げたくないからと先に報酬を渡したくなる気持ちも分かりますが、ぐっと堪えて原則を守るようにしましょう。
メンバーの立場の方々にも補足したいと思いますが、エンジニアになって5年くらいまでは報酬などはあまり気にせず目の前のタスクに全力を注ぐことに集中することをおすすめします。
1人前のエンジニアになるのにはどんなに早い人でも3年はかかります。
成果を出している人に辞められてしまっては困るので成果を出していれば周囲はきちんと評価してくれるものです。
きちんと評価されていないのは評価者との間で成果に対する認識が異なっている、もしくはその他の部分(勤怠が悪かったりや納期を守らなかったりなど)で点数を落としている場合がほとんどですので、どうすれば評価されるようになるか評価者に相談するようにしましょう。
ここまでで成果と報酬の順序の原則についてお話ししました。
エンジニアになって5年くらいまでは報酬などはあまり気にせず~と記載はしましたが、報酬にばかり目がいってしまうと肝心の成果が疎かになってしまうこともあるので、成果を出していれば報酬は必ずついてくると信じて成果を出すことに集中するのが良いのではないかと思うのです。