メンバーに顧客志向を意識させる方法
「顧客志向」はビジネス用語としてスッカリ定着しましたが、実践できている組織というのはそれほど多くはないように感じます。
うちのエンジニアたちは自分たちのことばかり考えて顧客志向がなく内部志向に陥っていると嘆くマネージャーや営業職の方も多いと思います。
本稿では顧客志向とは反対語の内部志向を用いて、顧客志向ではなく、内部志向に陥ってしまう2つの原因と対策についてご紹介します。
1. 顧客接点の改善
顧客との接点が薄ければ薄いほどついつい自分たちの楽な方向に意識がいってしまいます。
顧客との接点を改善するために下記4点の改善を意識してください。
・回数の改善:理由を見つけては密に連絡する
・濃度の改善:メールより電話、電話よりWeb対面、Web対面よりオンサイト
・幅の改善:他のチーム、他の部門、他社をご紹介いただくようお願いしましょう
・質の改善:振り返りと改善を日々繰り返す
2. 顧客への提案を意識させ、成功体験を積み重ねる
顧客と接する機会が少ないと「言われたことだけをやればよい」、「余計なことはやりたくない」という後ろ向きな気持ちが芽生えてしまいます。
このような気持ちを払拭させ、顧客志向を意識させるためには顧客への提案を意識させ、小さな成功体験を積み重ねる必要があります。
言われたことだけを単純にこなすだけの受け身の姿勢ではいつまでも同じ作業の繰り返しです。
顧客への提案を意識できるようになると、顧客から感謝される、顧客の期待に応えようと成長する、新しい仕事が任されるという下図のような良いサイクルが出来上がります。
顧客ニーズに日々触れ合うことでスキルが磨かれ、10年後20年後でも鮮度の落ちないエンジニアでいることができます。
具体的な方法としては提案を意識できるように下記のような工夫が挙げられます。
・インシデントや障害発生時にも「顧客にはどんな提案ができる?」とメンバーに考えてもらう
・構築チームであれば案件終了後にどんな提案を実施したか、他にも良い提案ができなかったかの振り返りの機会を設ける
・運用チームであれば半期に1度など定期的にどんな提案を実施したか、他にも良い提案ができなかったかの振り返りの機会を設ける
・提案の好事例を資料として残し、みんなが参照できるようにする
ここまでメンバーに顧客志向を意識させる2つの方法についてお話しました。
他にも顧客志向ではなく、内部志向に陥ってしまう原因として組織の縦割り構造(自分たちの仕事範囲を勝手に決めてしまう、他部門との調整を嫌う)が挙げられます。
こちらについてはテクニカルアカウントマネージャー(通称、TAM)のような立ち位置のメンバーを組織することで改善できますが詳細は別の投稿でご紹介したいと思います。