マネージャーはどこからみても綺麗な所作を心掛けよ

室町時代の能の大成者である世阿弥が残した言葉に「離見の見(りけんのけん)」というものがあります。
自身の目ではなく、観客の目で自分の姿をみること、客観視することが大切だということです。
自身の目では正面と左右をみることはできても後ろ姿をみることはできない。後ろ姿を含め、目に見えないところに至るまで身体全体を意識せよとあります。

人間である以上、私たちは自身が持つバイアスから完全に逃れる事はできませんが客観視できるかできないかで大きな違いが出てくるのです。
先日、契約しているクライアント様の企業で送別会があり、私も同席させていただきました。
社会人2年目の若いエンジニアが幹事役を買ってくれました。初めての幹事で不慣れなこともありましたがすべての問題を他人のせいにすることなく自分事として最後までやり遂げてくれました。
後日、そのことのお礼を含めてお節介だとは思いながらも次のような話もしました。

宴会後に上司の2人から軍資金だといって多めにお金を受け取ったよね。
君はお礼を言ってそれをそのまま自身の財布に入れたけどあれは良くない。
僕はそんなことは思わないけど、世の中には色んな人がいて中には自身の懐に入れたんだと思う人がいる。
だから、宴会費用に封筒を用意してお金を受け取ったらそのまま封筒にしまうようにするんだよ。
宴会用のお金と自分の財布をきちんと分けて管理しているというだけで信頼されることにもなるからね。

マネージャーになると360度に気を配らなければなりません。ほんのちょっとしたことでも当人にとってはとても傷ついてしまうケースもあります。
メンバーの頃には考えてもみなかったことが多々起きていると思います。味方だと思っていた人から矢が飛んできたりすることもあるのです。
良かれと思ってみんなの前でメンバーの一人を褒めると「自分はもっと頑張っているのに自分のことは認めてもらえない」と思うメンバーもいるのです。
マネージャーは メンバー、クライアント、上司、関係者のすべての目線で自身を客観視しなければならない のです。

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