仕事を任せる技術の成長過程は1パターンしかない

マネージャーが1人前になるために全員が乗り越えなくてはならない壁が「仕事を任せる」ことだと思います。
チームのリソースを最大限活用して、最大限の成果を得るためには「仕事を任せる」ことが必須です。
マネージャーにはさまざまなやり方、色々な考え方があって良いと思いますが、「仕事を任せる」ことができなければマネージャーとしての役割はまだ果たせていないといえるでしょう。

サラリーマン時代を含め、色々なお客様先でたくさんのマネージャーの方々をみてきました。
なったばかりのマネージャーはほぼ全員が「仕事を任せる」ことに失敗します。

① メンバーを信頼して仕事を任せたものの、出来上がった結果が思ったものとは違う、もしくは思ったより品質が低いので「やっぱり任せられない自分がやらなくては!」と思ってしまう。
② 続けるうちに「自分一人が頑張ってもせいぜいが数人分の働きしかできない、やはりみんなの力を借りなくては」ということに気付いてまたメンバーに任せるようになる。

上記の①と②を繰り返す中で、仕事を任せ方を学ぶようになっていきます。任せる技術の向上はこのパターンしかみたことがありません。
もし、仕事を任せる技術を向上させたいと思うなら①で任せたあとに何が良くなかったのか、具体的には任せる範囲が良くなかったのか、依頼の説明が良くなかったのか、自分がチェックするタイミングが遅かったのかを振り返り、再度メンバーに任せることです。
このことに気付ければ、普通のマネージャーが2~3年かけるところを数か月で任せられるようになります。

仕事を任せるということは仕事をメンバーに丸投げすることではありません。
メンバーの特性やスキルに合わせて任せる内容を考える必要があります。
スキルが低い場合やチームに入って間もないメンバーに仕事を依頼する場合には、いくつかのサンプル事例と共にインプット情報を与えた上で、アウトプットイメージや注意事項を丁寧に伝えます。
また、いざとなれば自分がフォローに入る時間の余裕を考慮した上で要所要所で進捗度や品質を確認するようにしましょう。
習熟したメンバーやチーム内での仕事を熟知しているメンバーでは仕事の背景、依頼したいこと、期限などをシンプルに伝えるだけで良いこともあります。むしろ少々の無茶ぶりをした方が良い結果が得られる場合もあります。

私自身、つい最近まではインプット情報と正確なアウトプットイメージを伝えないまま仕事を任せるのは相手に失礼だと考えていました。
確かに、インプット情報と正確なアウトプットイメージがあった方が依頼される側は楽でしょう。
しかし、それでは依頼する側の能力を超えた成果は出せませんし、ある一定のレベルでメンバーの成長も止まってしまいます。
時には無茶ぶりをしてみることでメンバーが自身で考えることにもなりますし、依頼した側が思ってもみないような素晴らしい成果が出てくることもあるのです。

Follow me!