新しいIT商材を調査するための3つの観点

プリセールスをしていた頃、お客様からのご希望で色々なIT商材について調査し、提案していました。
最初のうちは新しい商材を調べるのにものすごく時間がかかりましたが、慣れてくると(勿論商材にも依るのですが)多くは半日もかからずにポイントを抑えられるようになってきました。
新しいIT商材を調べる際には闇雲に資料を漁るのではなく、次の3つの視点を中心に抑えることが重要です。

  1. 決裁者の観点
  2. システム設計者の観点
  3. ユーザーの観点

1. 決裁者の観点

決裁者の立場になって考えると何故この製品でなくてはならないのかということが重要です。
この商材を自分たちの組織に導入することでどういう効果が得られるのか、具体的に説明できればできるほど良く、数値化できれば尚可です。
他にもこの製品がこの分野でどういう立ち位置(リーダー/チャレンジャー軸、少数向け/大衆向け軸)であるか、他の競合製品とは何が違うのかといったことを抑えておくと良いでしょう。

2. システム設計者の観点

システムを設計する人の観点で聞きたいことを想像します。
例えば、冗長構成が可能なのか、できるとしたらどういう構成なのか、障害時の切替えがどのように行われるのかといったことです。
冗長構成以外にも基本設計書に記載されるような下記のような項目の中に特記事項がないか注意して確認します。
・システム全体像、各コンポーネントの役割
・システムの拡張性、拡張方法、拡張時の影響範囲
・耐障害性、バックアップ、リストア構成
・セキュリティ面での特記事項
・運用作業の特記事項
・ベンダーの保守範囲

3. ユーザーの観点

最後は一般利用するユーザーの観点ですが、こちらはユーザーをサポートするヘルプデスクの立場で想像するとより具体的になります。
VPN接続にIDとパスワード以外にスマートフォンによる多要素認証(MFA)を導入するケースを考えてみます。
一部、システム設計者の観点と重複する場合もありますが、製品によって調べる内容はバラバラなものとなります。
・会社貸与のスマートフォンを渡していないユーザーはどうするのか
・個人の電話を許可するとしてガラケーでも対応できるのか
・海外からの利用者でも利用できるのか
・スマートフォンを紛失した場合に会社側でその端末のMFAを無効化できるのか
・脆弱性のある古いバージョンのMFAアプリからの接続を拒否できるのか

    ここまで新しいIT商材を調査するための3つの観点についてお話しました。
    新しいIT商材に触れる機会があったら是非ご活用ください。

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