マネージャーの役割と重要な4つのこと

マネージャーの役割は 財源、物資、情報、人材といった組織のリソースを最大限活用し、最大限の成果に導くこと です。
これはエンジニアのマネージャーに限らず、すべてのマネージャーにも共通していえます。
上記の役割を果たすために重要な4つのことをご紹介します。

1-1. 目標決定
成果とはプロジェクトチームにおいてはプロジェクトの利益だったりしますし、運用チームにおいてはサービス稼働率だったり、顧客満足度であったり、マーケティングチームにおいてはPV、CVR、CPAといったKPIなどそれぞれの組織によって異なります。
成果を出すためにはまず、目標を決めることが必要です。
成果として いつまでに 何を目指すのか という目標をはっきりさせないことには成果が上がっているのか下がっているのかすら判別できません。

短期の目標は具体的である必要があります。数値化できないような「顧客に満足してもらう」「チームに一体感を持たせる」といった抽象的なものではなく、売上、利益のように具体的に数値化できるものとしてください。

目標は1つである必要はありません。短期目標と中長期の目標で分けてもいいですし、同じ短期でも複数の目標があっても問題ありません。
ただし、目標が多過ぎてもそれぞれが中途半端になってしまうので短期の目標は1~3つまでとするのが良いでしょう。

また業績に関する目標だけではなく、人材育成に関する目標も重要です。セミナー参加、勉強会、資格取得は人材育成のための具体的な目標になります。

1-2. 目標の共有と定期的な見直し
目標を決めたらチーム毎やメンバー毎に目標を落とし込みましょう。
メンバー毎に落とし込む際には現実的に達成可能な目標であることを確認しましょう。
達成不可能な目標にしてしまうとメンバーのモチベーションも下がり、業務が疎かになってしまいます。

目標達成に向けてメンバーに共有し、定期的に目標に向けた進捗を確認し、必要に応じてアクションを起こし、目標に導く必要があります。
余りにも目標と乖離してしまった場合は、目標自体の見直しも必要となる場合があります。

目標設定の重要性

  • 目標があるからこそ、やるべきことに集中できる
  • 目標があるからこそ、無駄なことを省くことができる
  • 目標があるからこそ、達成感や成長を感じることができる

1-3. ルール作り、仕組み作り
マネージャーの重要な業務にルール作り、仕組み作りがあります。
事故を起こさないためにはルールが必要です。
確認不足によるミスを防ぐにはダブルチェックする、認識齟齬によるミスを防ぐには共通フォーマット資料を利用する、作業手順の判断ミスを防ぐには有識者による手順書レビューといったルールを作ることでこれらのミスを軽減させることができます。

業務を効率的に進めるためにはルールが必要です。
定期的な報告業務があるならバラバラのフォームではなく共通フォーマットを作る、定常業務があるなら手順書を作るもしくは自動化ツールを作る、関係者への周知について周知手段を決めておくといったことで業務を効率化させることができます。

明記されたルール違反さえなければ(法律的な違反も勿論ダメですが)目標に向かってどんな手段を考えて行使しても良い、マネージャーが応援してくれるということは部下の心理的安全性を確保し、自主性を高めることにも繋がります。

ルール作り、仕組み作りの重要性

  • ルール、仕組みがあるからこそ、事故を減らすことができる
  • ルール、仕組みがあるからこそ、効率的に業務を進めることができる
  • ルール、仕組みがあるからこそ、自主的に独創的な行動ができる

1-4. 業務の円滑な遂行
目標に向けてチーム内の業務を円滑に遂行することが必要です。
チーム内で稼働する複数のプロジェクトの進捗を管理し、問題発生時には適切な対処が行われているか把握する必要があります。
また、チーム内、他部署、顧客とのトラブルについても把握しておく必要があります。

ただし、これらの業務を全てマネージャーが行う必要はなく、問題発生時の対応やトラブル対応にもメンバーが対処出来るようにフォローするのが理想です。
とはいえメンバーに全てを丸投げするのではなく、取り返しのつかない事態にならないように見守ってあげるのです。

見守るというのはなかなか難しいものでマネージャー自身でやってしまうことが多いのではないのでしょうか。
この点は子育てにも似ています。本当に子供(メンバー)の成長を願うなら本人にやらせて親(マネージャー)は固唾を飲んで見守るのです。
マネージャーはメンバーに失敗させないことよりも上手に失敗させてやることを意識すべきです。

また業務の円滑な遂行のためにはマネージャーが作業に忙殺されていてはいけません。
自分の仕事で手一杯になっているとメンバーの状況把握が疎かになり、適切なフォローができなくなってしまいます。
また、いつも慌ただしく動いているマネージャにはメンバーが相談しにくくなり、トラブルを事前に把握することもできなくなってしまいます。
自分の業務ではなく、チームの業務全体が滞ることなく動いているかを確認することに時間を使いましょう。

ここまでマネージャーの役割を果たすための4つのことについてお話しました。
マネージャーはメンバーでいた頃とは全く異なる、それも広範囲のスキルを求められます。
着任したばかりのマネージャーは前任者から業務を引き継いで日々をこなすだけでも精一杯でしょう。

しかしながら、マネージャーの役割は冒頭で申し上げた通り、 マネージャーの役割は財源、物資、情報、人材といった組織のリソースを最大限活用し、最大限の成果に導くこと です。

その役割をしっかりと果たすために上記の4つのことに集中していただきたいのです。
逆に言えば、上記以外のことは マネージャーがやらなくても済むようにルール化、仕組み化すること が重要なのです。

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